第1級陸上無線技術士の試験を振り返る:勉強の仕方

一陸技の勉強をしながら、自分が勉強方法をどう考えていたのかを、メモとして残しておく。動画をご覧になりたい方は Youtubeにアップしています。

(1)勉強の仕方は個性的で、自分なりの勉強の仕方を見つけることが一番大事。ネットにはこれがいいとか出ているが、それは参考にするのは大切だが、その通りやればいいものではない。私の書くこともそのように受け取っていただきたい。
(2)過去問をやることが基本。私は吉川先生の過去問4年間8気分の問題と解答が出ている過去問を使った。とてもいいものだった。これがなかったら合格はできなかったと思う。このテキスト(過去問集)をきちんとクリアしたら、100%合格できると思う。
(3)いわゆる教科書も2種類ほど使った。テキスト不要という意見もあるが私はそうは思わない。過去問だけでは、知識の体系化ができない。ときどき、今問題にしているのが、無線工学の知識のどこに位置するのか、法規のどの場所にあるどのカテゴリに属するのかを確認するためにも、絶対必要だと思う。わからないことがあったら教科書で可能な限り調べるというのは、繰り返した。
(4)計算問題は、出されている数値にかかわらず、計算で解けるようにしておかなければならない。計算問題の場合、まず、問題を読んで、どの公式を使うのか、使えるのかを考える。もちろん、最初は頭に入っていないのだから、解答を見るしかないが、その場合でも、かならず、使っている公式だけを確認して、計算過程は見ずに自分で解けるようにしなければならない。解答の計算過程を見るだけでわかった気になってはダメだ。あるいみ、解答を見ずに自力で計算することを繰り返すことが必要だ。
(5)公式は、覚えないといけないのだが、覚えようとして努力するよりも、使っているうちに覚えるのが必要。そういう意味では、一つの公式を使った問題を何度かとく必要がある。過去問集には、同じ問題が数字を変えたりして何度かでてくるので、それを解いているうちに覚える。私も、最初は公式集を使って、いちいち覚えようとしたが、結局最後はたくさんの漠然として覚えた公式が頭にあって、問題を見るとその公式がクリアに再現されるという感じになっていた。
(6)公式はやたらに覚えるのではなく、そのもとになるものがあれば、それを覚えて、いくつもの公式や問題に応用できるようにするのがいい。たとえば、私は、線路の電波の伝搬公式が大好きだ。
$$ Z_{1}=Z_{0}\frac{Z_{r}\cos\beta l_{1}+jZ_{0}\sin\beta l_{1}}{Z_{0}\cos\beta l_{1}+jZ_{r}\sin\beta l_{1}}$$
だから、しっかり覚えている。これを使うとアンテナや給電線に関わるいろんな準公式が導出できる。平衡電線が短絡しているときや開放しているとき、アンテナや給電線の長さが与えられた時のインピーダンスを考えるときや、いろいろな時で使える。こういうものは使い方も含めてきちんと覚えておく。あるいは、等方性アンテナ、微小ダイポールアンテナ、半波長ダイポールアンテナの利得比が30:45:49を覚えておくと、これまた色々使える。こういう、基本的なものを覚えて応用的なものは導出できるようにしておくのがいい。あるいは、レーダー公式などは一見複雑なようだが、送信電力とアンテナ利得の元で、発射された球面状に周囲に放射され、物体の有効断面積で受け止められ、さらに同じ利得のアンテナで受け止めると考えると、簡単にあの複雑そうな公式は導出できてしまう。またこの考え方をすれば、発射された電波が与えられた距離でどれだけの電力を生み出せるか、さらには、フリスの公式や自由空間伝送損なども、公式として覚えなくても、いざという時にはしっかりと頭に思い描くことができるようになる。こういう風により根っこをつかむことによって、問題を答えられるようになるだけではなく、知識を豊かにすることができる。
(6)過去問を何クールやらなければならないと言っても、時間がないから慌てて進めるのはダメだ。一回一回、わからないもんだであればあるほど、時間を変えるという姿勢が必要だ。私は、4年8期分の問題の1クール目に1ヶ月かけた。急ごうとした時もあったが、結局急ぐと逆に時間の無駄になることに気づいて、1クール目はしっかり時間を使った。2クール目はその半分の時間でよかった。1クール目でできた問題も、2クール目ではもう一度解いた。
(7)こういう2クール目が終わった時に、自分は合格ラインを突破したのではないかという気がした。自信ができた。
(8)3クール目は、2クール目やってもできなかった問題をやった。それでもできなかった問題が全体で60問弱あった(こちら参照)。60門というのは、吉川問題集の問題約900門からすれば、6%にすぎない。しかし、私は悔しかった。何度やってもできない問題などあってはならなかった。その問題をもう一度やったが、それでも間違う問題が10問ほどあった。もう、それらは問題と答えを完全に覚えて、ケアレスミスでも間違わないようにした。
(9)私は、無線工学の基礎とか無線工学Bは好きだった。理屈があって、それで答えが出てくるからだ。しかし、無線工学Aは、理屈というよりも知っているべき知識を問う科目だ。だから、一番最初に無線工学Aにふれたとき、自分がこれらの知識を身につけて、解けるようになるとは思えなかった。結果的には、問題を解く中で、知識が身について行った。