レーダー方程式

レーダー方程式は、無線工学Aの領域だが、導出過程も含めて、無線工学Bと深い関係を持っている。

パルスレーダーの送信尖頭電力\(P_{T}\)をすると、対象物体の位置における電力束密度は、
$$ W_{R}=\frac{P_{T}G}{4\pi R^{2}} \qquad [W/m^{2}] $$

この式、意味としてはわかりやすい、送信電力がアンテナを通って四方に広がったのが分子で、距離Rの位置における球の表面積が分母だから、電力束密度になる。この式は、無線工学Bにおいて大事な公式である、フリスの伝達公式にも出てくる。ある意味当然だ。きっちり覚えておくべきだ。

物体の有効反射断面積を\(\sigma\)とすると、物体から反射される電力は、
$$P_{S}=\sigma W_{R}$$
となる。これは公式として頭に入れておくべきだ。難しくはない。

この反射電力はまた周囲に広がっていくので、元に戻った地点、距離Rの地点における電力束密度は、球の面積を使って、前と同様に次のように計算される。
$$ W_{T}=\frac{\sigma W_{R}}{4\pi R^{2}} $$
ここで、アンテナの実効面積を\(A_{e}\)とすると、受信点における電力\(P_{R}\)は、
$$P_{R}=\frac{\sigma A_{e}W_{R}}{4\pi R^{2}}=\frac{\sigma A_{e}}{4\pi R^{2}}\times \frac{P_{T}G}{4\pi R^{2}}=\frac{\sigma P_{T}GA_{e}}{(4\pi R^{2})^{2}} $$
まず、ここまでは覚えやすい。これ自体を距離\(R\)で解いたものが、レーダー方程式だ。
$$ R=\left( \frac{P_{T}G\sigma A_{e}}{4^{2}\pi^{2} P_{R}} \right)^{\frac{1}{4}}$$
ただ、この解いた式を覚えるのは、4乗根が出てきていたりして、逆に覚えにくいのだ。

さらに、ここではアンテナ実効面積をそのままにしているが、これも入れた式が公式集には出ている。ただ、無線工学Aの問題では、アンテナの実効面積そのものが数値で与えられている問題がある(アンテナの実効面積は無線工学Bの領域だという配慮からかもしれない)。その場合は、上の式で答えが出てくるのだ。以下は必要なくなる。

アンテナの実効面積は、等方性アンテナの場合、
$$A_{e}=\frac{\lambda^{2}}{4\pi}$$
だが、実際上は使われないので、これを基準にした絶対利得\(G\)のアンテナを考えると、その実効面積は、
$$A_{e}=\frac{\lambda^{2}G}{4\pi}$$
となり、これを先のレーダー方程式に入れたものが公式集 p.140に出ている。ただ、レーダー方程式は先の式の導出過程として覚えておいて、アンテナの実効面積は、別公式として覚えておくのが良いと思う。